ボツリヌス治療と川平法の併用効果

川平法とボツリヌス治療

リハシード福岡の樋口です。

脳梗塞片麻痺を改善する川平法の訪問リハビリをしています。

痙縮が強くてお困りの方は「ボツリヌス治療を受けたことがある」、

あるいは「受けようと検討」されたことはありませんか?

ボツリヌス利用後に痙縮が柔らかくなることで川平法の効果がより得られる、麻痺の改善に効果があるという論文が発表されました。

発症して平均4年経過した脳卒中麻痺後遺症の方を対象に、川平法のみ(20名)とボツリヌス治療と川平法の併用群(20名)のグループに分けて4週間の間1日40分週6日の川平法を行った結果、

ボツリヌス治療と川平法の併用グループがより麻痺の改善の効果的である1)、というものです。

ボツリヌス療法の効果として、

☆痙縮を和らげることでリハビリテーションが行いやすくなり拘縮の予防効果も期待できます。
☆関節がやわらかくなることで清潔を保ちやすくなります。
☆痙縮による痛みを緩和する効果が期待できます。

ボツリヌス治療は痙縮を和らげることは可能ですが、麻痺を改善する効果はありません。

川平法 リハビリ

担当した60歳男性脳梗塞 発症から約2年経過した方で、痙縮がひどくボツリヌス治療を受けました。

ご本人の感想は「腕が重い、返って悪くなっているのではないか。受けなければ良かった

痙縮から弛緩状態になった麻痺した腕に落胆していました。

川平法を週1回20分行った結果、

ボツリヌス治療を受ける前:肩屈曲動作、5回連続で痙縮が強まる

ボツリヌス治療を受けた後(約5か月後):肩屈曲動作、50回連続で可能

もちろん、他の部位も麻痺の改善が見られました。

結果が出るのに時間がかかったのは、週1回に20分という時間のためかと思われます。

川平法にて結果が出たのは、身体の負担を最小限にする姿勢で行い、肢位の重さを除いた状態でご自分の力で動かすように誘導するからです。

川平法は楽な姿勢で動作ができるので意図した自動運動(ご自身で動かすこと)が可能になります。

ボツリヌス治療を受ける動機は「痙縮が強いのでやってみた」「麻痺は治らないとわかっていても、少しは動かしやすくなるのではないか」など身体の改善に向けた想いがあられるかと思います。

ボツリヌス治療を受けて満足される方もいます。逆に結果思った状態と違ったと判断しそれで諦めてしまう方もいます。

ボツリヌス治療と川平法の併用はお互いの特徴を生かしてよりよい効果を出すことができます。

担当した方も最初は落胆していましたが、「また受けようかな」と検討されています。

参考文献)

1)Hokazono A, Etoh S, Jonoshita Y, Kawahira K, Shimodozono M.
Combination therapy with repetitive facilitative exercise program and botulinum toxin type A to improve motor function for the upper-limb spastic paresis in chronic stroke: A randomized controlled trial.
J Hand Ther. 2021 Jan 26:S0894-1130(21)00024-7. doi: 10.1016/j.jht.2021.01.005.

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